【サンマルタン号製作記⑤】デッキ貼り-2

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着色

デッキ材として利用したラミンは色味が淡泊であるため着色する。木材の塗装は大きく分けて浸透タイプの「ステイン系」と塗膜を作る造膜系塗料がある。塗料が内部に浸透していくため木目がしっかり残る前者に対して、後者はいわゆるコーティングでペンキ塗装はこのタイプであるかと思う。断然前者を選択する。

さて、ステイン系塗装といっても種類は様々。大きく分けると「水性」と「油性」に分類され、さらにニス入りかどうかを選ぶことができる。絵の具のごとく油性は水性に比べ深みとつやがあるが匂いが強いといった取り扱い上の不都合が生じる。このあたりの事情もよく知らずホームセンターにてなんとなく和信ペイントの水性オイルステインを購入。メーカーによると水性でありながら油性ステインの風合いが得られるとのこと。。。色味は「ケヤキ」を選択した。

着色はペーパーウエスに塗料を含ませ刷り込むように行った。重ね塗りをして濃度の調整ができるようだが一回で十分な濃度となったと判断し一度目で終了した。ややオレンジがかった色合いでもう少し落ち着いた感じがよかったと思いつつすべてのデッキを仕上げていく。もともと木目のはっきりした材料ではなかったため表面の質感は単調であるが、あらかじめ鉛筆で表現しておいたデッキ板間のタールや釘跡の表現もしっかり残っており未着色のものとくらべると雰囲気がよくなったように感じる。部分的に色ノリが悪くムラになっているのは接着剤の残留によるもの。塗装前にサンドペーパーで仕上げたのだが不十分だったようだ。

デッキの曲面

船のデッキは平坦ではなく下図のような曲面となっている。

  • シアーライン、、、船首部を高くし青波(縦揺れによる船首部への衝撃的な波の落下)を低減する。
  • キャンバー、、、中心部を高くし水はけをよくする。
↑キャンバーとシアーライン

今回のキットにおいてはフレーム端面はフラットなのでそのままデッキを貼ったのではキャンバーは生み出せない。シアーラインに関してはキール上端が中凹形状となっているので、このラインに沿うようにデッキを接着する。

デッキは2mmほどの基材に0.5mm厚の化粧材を貼り合わせたものなので、なかなか剛性が高く接着剤が乾くまで中凹を維持するのが難しい。あらかじめ曲げておく必要があるかとも考えたが、クランパーで潰すように固定し接着剤が乾くまで形状維持するようにした。

デッキをすべて貼り付けて今回の作業は終了。

船の魅力は「乗り物」であると同時に「建造物」であり、ちょっとした「街」の要素も含んでるところ。デッキに階段などの通路を配し、住宅をはるかに超える高さのマストを立てる。そして大砲をはじめとする様々な備品が設置され、全体としてみたときにひとまとまりの乗り物として調和する。これらは模型を作りながらも(もしかすると模型だからこそ)しっかり感じ取れる部分ではないかと思う。

次回はいよいよ外板貼り。帆船模型つくりと言えば、の工程である。ここを超えればようやく船としての形が見えてくることになるので楽しみである。

つづく。

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