アンカーの製作にとりかかる。船体艤装はこれで最終部品となるのだがキットに付属しているはずのパーツがない。欠品なのか紛失してしまったのか定かではないのだが仕方がないのでスクラッチビルドで作っていく。パート1ではクラウンと呼ばれる矢印状の先端部分を製作する。
寸法設定
スクラッチビルドを行う際、まずは寸法をどうするかという問題がある。キットにも図面があるのでそれをトレースするのもありだが今回はアナトミーシリーズのパンドラから図面を拝借し1/90スケールとなるようにコピーして型紙とした。
材料切り出し
使用した材料はクラウン本体として2.5mm厚真鍮板、パームと呼ばれる三角形の部分を1mm厚真鍮板を使用した。型紙を板に貼り付け糸鋸で切り出していく。電動鋸があればよいのだが我が工房にはいまのところ一切の電動ツールがないのでひたすら手作業で切り出していく。
ちなみに使用した道具は次の通り。Grobet USAというブランドのフレーム(スイス製らしい)。プラスチックの持ち手で特段高級感があるわででもないが軽く作業性良好。とにかく切り出しには時間がかかるので軽量というのは最重要ポイントかと思う。替刃のほうも同じくスイス製のpike製。糸鋸自体使うのが初めてなので何が良いのかというのは判断つかないがネットで様子をうかがってみるとほぼ一択に近い選択肢のようだ。番手が多種あるが今回使ったのは#3/0と#0。#3/0がより細く細かな形状の切り出しに向いてるのだが今回に関してはほぼ同程度の使い心地だった。加工中何度も刃を折りながらひたすら切り出していく。。。
銀ロウ付け
切り出しのラインがだいぶ蛇行しているのでその修正や面取り加工などをやすりを使って施したあとクラウンの先端にパームを銀ロウ付けにより接合する。デッドアイチェーンにつづき二回目のロウ付け。形状が複雑なのでやや難易度がUPしているが前回の経験を活かしつつ接合部にロウ剥片をあらかじめセットして加熱する方法を採用する。というかこれが標準方法なんだろう。接合前の仮固定にはクリップを使う。当然クリップも過熱されるのでそのうちスプリングが効かなくなり口開きが生じるので手早く作業する。これも何度が失敗しながらもなんとか終了。
仕上げ
ロウ接合によるスケールや余分なロウ材の除去などのため全体をやすり掛けし整形完了。最後にブルーイングを施し完成。
出来栄えについて。。。
もちろん細かいところを言えば改善の余地はいくらでもあるのだが思った以上に良くできたと思っている。ちょっと特殊な工程といえばロウ付けくらいだが、これもホームセンターで売ってる道具を使って自宅で十分作業できるもの。なんだかんだ3日ほど要したのだがしっかり時間をかければ何でもできるもんだ。
ひきつづきストックと呼ばれる木製パーツを製作する。今回作ったクラウンとアッセンブリするととても魅力的なパーツとなるので楽しみ。もちろん材料からの切り出しでスクラッチビルトとします。
つづく。
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