ランタンを製作する。キット付属のランタンはホワイトメタルの一体成型で着色して作るというものであった。イマイチ味気ないのでスクラッチビルドを試みる。そして照明具はぜひ光らせてみたい。普通であればLEDなどを用いて電飾することろであるが伝統ある木製帆船模型に電飾はふさわしくないと思い実際に火を灯そうと企んでみた。なにかと問題も多く完成品をそのまま長時間点灯することは叶わなかったが、製作過程で火を灯してみたのでその記録を残すだけにとどめておく。実現すると素敵だと思うのだけど。
光源部製作
まず何に火を灯すのか検討する。はじめに候補として思いついたのが小型ろうそく。いろいろと市販のものを探してみたがせいぜい1cm^3程度の領域に入るものが存在しない。ならば自作かと考えたところわざわざ蝋にせずともアルコールランプの要領で燃料を燃やしてみてはと思い至る。キャンプ用品としてパラフィンオイルなるものがあると知り(まさにランタン用)、これを使ってみることにした。
真鍮から容器を成形し糸を芯としてランプを作ってみた。糸の種類は炎の大きさと耐久性のバランスで決定する。なるべく炎を小さくするため細めの#90でトライしてみたところ何度やってもほぼ一瞬で燃え尽きてしまう。#60だと多少伸びるのだが油壺のサイズが小さいこともあってせいぜい30秒程度というのが精いっぱい。これ以上の容量アップはスペース的に不可能なので(というかすでに限界超えてる)この仕様で行くとにする。エジソンがフィラメントを作るかのごとく研究を重ねたら何か良策が見つかるのかもしれないのだが。。。
フレーム製作
材料は真鍮板を切り出して使用する。土台の部分と蓋も同様に真鍮版を用いて接合部は銀ロウで溶接した。ここで次の課題はガラス板をどうするかということである。作りの都合としてはプラバンを貼るのが手っ取り早いのだが問題は耐熱性。せいぜい30秒程度もてばよいと思ってるので安全性を考慮して自己消化性をもつ塩ビをチョイスした。結果は写真の通り話にならないのだが、それ以前に酸欠が決定的に問題となった。8面中2面を開放してみても完全にかぶせてしまうと火が消えてしまう。写真はフレームを全部かぶせることなく浮かせた状態で実験したものだ。感触としては半分以上開放しておかないと無理じゃないかと思う。といったところでガラス板も用意していたのだけれど中止。解放状態で撮影したのちプラバンで完成体とする。
仕上げはブルーイング。プラバンはすりガラス風にするためペーパーがけとする。火をつけないにしてもガラスで作ったほうが雰囲気があったのかもしれないが薄板の加工はこれまた難しい。うまく作れたとしても簡単に割れてしまうリスクを背負ってしまうのはやはり気持ち悪いのでこれも断念した。
思い描いていた理想とはちょっとギャップがあったが、なんとなく雰囲気は出せたんじゃないかと思う。おそらく再び火をつけようと思うことはないと思うので、動画として記録に残せたというのが本当にうれしく思う。
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